自称ヨット乗り氏 『自称ヨット乗りの一海特受験体験記(追加:二陸特&航空特)』

試験の様子や勉強内容など大変よく紹介されています。


自称ヨット乗りの一海特受験体験記(追加:二陸特&航空特)
自称ヨット乗り氏


平成15(2003)年6月4日 とある地方で受験。

無線従事者免許は初めてでした。
何十年か後にヨットで国外脱出する時にこの資格が必要となるために受験しました。

一海特の受験生は僕一人。同室の航空特は三人。
まず学科試験。法規と無線工学が一緒に配られて開始。
試験時間は一時間。退出は30分以降。
全員30分で終了。
問題集をやっていれば限りなく満点。
同じ問題がほとんどで拍子抜けしました。

一旦廊下に退出後全員入室。
次は電気通信術。まず欧文受信。
小さいラジカセでテープを掛ける。
外人の男性の声。
始めA~Zまでの発音がありその後「始めます本文」で開始。
2分間合計100字。5字ずつ区切って流れる。
すべてアルファベットで数字等は無し。
100字言い終わった後5秒ほど手直ししたりする時間がありました。
緊張しましたが全部埋めれました。

また一旦廊下に退出後、今度は一人づつ呼ばれて入室。
欧文送信。試験官と衝立を挟んだ机に向き合って行われました。
ランダムなアルファベットが5文字ずつ区切られて印刷してある紙を渡され、その100字を2分以内に読む。これもすべてアルファベットで数字はありませんでした。
「始めます本文  ジュリエット、デルタ、シエラ、キロ、ズールータンゴ、マイク、・・・・・・・・・ 終わり」というふうに読んでいきます。
間違った場合は「訂正」と言って2文字ぐらい前の正しいところから読み直すとのこと。
問題無く終了。30秒ほど余りました。

その後英会話。
テープから質問が流れ四択で選ぶ。問題は5問。
始めの説明が流れている時にざっと解答に目を通すことは出来ると思います。
問題は3回ずつ繰り返されます。始めの2回は遅いそうですがそれでもほとんど普通の会話の速さです。予想していたよりネイティブな渋い男性の発音。
2問はどうしても聞き取れない部分がありあてずっぽ。
過去問などは教科書の本文から出ていたりとても短い質問だったりなので慄きながらも何とかなるだろうと思っていたら、ぎりぎりっぽいです。
ちょっと難化しているのかもしれません。
ただ文法や単語はとても易しいので聞き取れるかどうかだけです。

【覚えている問題(英語で)】
・貴船の船籍はどこですか?
・火災を起こしている船の位置はどこですか?
・ヘリコプターが船に向かっています。
そちらの風向きと風の強さはどうですか?
とまあそんな感じです。

●無線が初めての人へ
文系で昔物理をサボりまくっていた僕なので最初無線工学はサッパリ解りませんでした。
振興会のテキストは無線工学、法規、英語と全部買ってめくってみてもいまいち。
こりゃいかんと思い4アマレベルと聞いていたので初級アマのわかりやすく説明してある本を買って読みました。
これが無線を一から学ぶのにとても役立ちました。
(少し前にアマチュア4級ってどんなのだろうと「完アマ」を買って解いてみたものの専門用語等がいきなり出てきてこりゃなんだと思ったものです。
確かに試験には受かるのかもしれませんがそれではあまり役に立たないと思います。)
無線がサッパリの人は初級アマチュアの本を薦めます。
プロの無線資格に比べて解りやすい本がたくさん出版されていますから。
僕がしたのは完アマ挫折→一海特テキストめくる→初級アマの本を読む→特殊無線技士の問題集を2回解く→本番でした。
試験を受けての感想は4アマより簡単じゃ~!って思いました。

そうそうその場合一つ注意があります。電波の形式の表示なのですが
アマチュアでA1、A3、A3J、A3H、A3A、A5、F1、F3と表示されるものは
それぞれA1A、A3E、J3E、H3E、R3E、A3F、F1B、F3Eのことです。

●電気通信術
欧文のテープは買いませんでした。
買うつもりだったのですが無線協会の人があまり商売気がなくそれより英語のテープを薦めるのでテープはそれだけ。
まあなくても自分で作って練習しました。
一度受信をしてみたら解ると思いますが練習しておかないと間に合いません。
簡単そうで舐めたら落ちます。
(一緒に受けた航空特の3人のうち2人はこれで死んでました。)
受信も送信も抜かり無く。

●英会話
電気通信振興会の英語録音テープ(テキスト読んでるだけ)は無駄とは言いませんがある程度専門用語や言い回しを理解した後はNHKラジオでも聞くのがいいと思います。
このテープは二人の声が入っていますが一人の男の外人と日本人のおばちゃんぽい声の人です。この日本人の英語は聞いてて疲れました。
試験がネイティブの人だと分かっていたら耳を慣らす為には綺麗な英語を聞いていたでしょう。
男の人の英語は綺麗なのですが。

英会話のテキストの第5章の魚業通信の記号などを覚える必要は全く無いです。
しかし電気通信術にも(まず)出ませんが数字の言い方は覚えておいた方がいいと思います。
1をウーナーワン、2をベッソーツーなどと言うやつのことです。

●他の特殊無線技士
一海特、二海特、航空特、二陸特の学科は全くと言っていいほど同じです。
一海特と航空特には欧文の電気通信術があり、一海特はそれに英語が加わります。
つまり一海特が受かるようにすれば航空特、二陸特は受かります。
(ほんの少し異なる分野がある感じです。)
一海特を受ける人は試験時間割が許せば複数申し込んでもいいと思う。
本当に一緒です。
次回受けようかな・・・

●日本無線協会
試験回数の少なさ、受験受付締め切りの早さ、会場の少なさ、費用の高さ、紙代で稼ぐこと、免許申請は本来1650円だのに手数料の350円を説明せず2000円を払わせる申請書を買わそうとすること、合格発表の遅さ、
・・・・etc、時代遅れの団体ですね。
無線は初めてなので特に違和感を感じました。
ただ事務所の人はいい人たちです。はい。

【使った本】
・海上特殊無線技士用 法規  電気通信振興会
・第一級、第二級海上特殊無線技士用 無線工学  電気通信振興会
・第一級海上特殊無線技士用 英語  電気通信振興会
・特殊無線技士(第一級陸上を除く)国家試験問題解答集  電気通信振興会
・第一級海上無線特殊技士用 英語録音テープ  電気通信振興会
・3級・4級アマチュア無線技士試験 土屋書店 吉川忠久監修
・完全丸暗記 初級アマチュア無線予想問題集 誠文堂新光社

【参考(使わず)】
・無線電話受信練習用録音テープ(欧文)  電気通信振興会

○結果発表○
6月27日に合格通知が届きました。v(^o^)v
その日のうちに総合通信局へ申請しに行きました。
(免許申請書、写真、1650円分の収入印紙、返信用封筒と切手が必要です。
郵送で申請する場合は住民票なども要ります。
免許申請書は日本無線協会を通して申請するとなっているやつでも問題無く
使えますので予め買っておきましょう。総合通信局には置いてませんから。)
7月9日に免許証が届きました。(7月8日発行)

答え合わせをすると英語は4問あっていました。
(正解は試験の数日後日本無線協会のHPに発表されます。)
法規・無線工学は当然満点です。(ほとんど問題集そのままですから・・・)

ちなみにすべて6割以上で合格です。

英会話の問題を付けておきます。
(実際の問題用紙には質問文は書かれていません。選択肢のみです。)

*****第一級海上特殊無線技士「英会話」試験問題(RE506)*****
解答方法: 選択肢の中から答えを一つ選び、その番号に対応する
答案用紙のマーク欄を黒く塗りつぶすこと。

QUESTION 1
What is the nationality of your ship?
(1) All crew members are Japanese.
(2) Our captain is Japanese.
(3) Our ship was built in Japan.
(4) Japan.

QUESTION 2
How long has it been since you left the port?
(1) Ten days.
(2) I will leave the port in two hours.
(3) Fifty meters from the left side of the port.
(4) It will take one hour to reach the port.

QUESTION 3
What is your average daily catch of fish so far?
(1) It is different every day.
(2) I have been fishing here for three days.
(3) Two tons a day.
(4) We have been fishing three times a day.

QUESTION 4
What is the position of the ship on fire?
(1) The ship is drifting five miles south of Moon Island.
(2) Firemen are rushing to the area in a boat.
(3) The fire occurred in the engine room.
(4) The fire is still burning in the hold.

QUESTION 5
A helicopter is coming to your vessel.
What is the direction and speed of the wind in your area?
(1) The helicopter is coming from the south at a speed of 40 knots.
(2) The helicopter will be blown about in a strong wind.
(3) The wind direction is southwest, with a speed of seven meters per second.
(4) The wind direction and speed in your position will change soon.

[解答]
Q-1: 4
Q-2: 1
Q-3: 3
Q-4: 1
Q-5: 3

<追加>
10月4日に二陸特と航空特を受けてきました。
無線の知識があるうちに取っとこうという理由です。
使う予定は今のところ無いです。

この二つを受けるにあたっては一海特のがあったので教科書は買いませんでした。
ただ航空特の機械等については載ってないのでそうした航空関係の本を参考にしました。
とはいっても試験に出るのは問題集にある問題だけと考えていてもいいくらいなので、それを潰しておけば十分です。

問題集はきちんと解き直して受けました。結構忘れているものです。
もちろんそのおかげで試験の筆記は満点です。
航空特の電気通信術はちょっと躓きましたが大丈夫でした。
今回の受験者は二陸特15人ぐらいで航空特も10人ぐらいはいました。

24日に合格通知が届いてその日のうちにまたまた総合通信局へ申請しに行ってきました。
ちなみに特殊無線技士の免許申請は総合通信局の航空海上課になります。
予め電話で問い合わせると親切に対応してくれます。
350円余計に払って日本無線協会を通す意味は全く無いですから。
免許証は2週間ぐらい掛かると言われたのですが30日に届きました。
(29日発行)

そんなこんなで特殊無線技士の免許が3つ手に入りましたというお話でした。

おわり


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